あん摩マッサージ指圧の表記方法の歴史 |
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我が国に按摩術が伝わったのは律令時代、奈良時代といています。大宝律令(701)の中には按摩、鍼は法制度の下に組み込まれた医療制度でした。印刷技術の発展までこれら、按摩の表現は「体表の図」に記された順を著すに過ぎず、理解するためには師匠につき免許皆伝まで修業するといった方法がとられていたと推測されます。太田晋斎の「按服図解」には施術者と被施術者の図が見られますが、図版に対して施術法が記載されるといった方法でした。これは欧州でも同じでした。 |
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明治期に日本に紹介されたライブマイルのDie Thchnik der Massageの図版では矢印が示され、施術の移動方向が示されています。 そのテクニックは提供する側、受ける側とも主観的なもので、上手に表現出来るものではなかったようです。後にアメリカで発刊されたケロッグの著作でも写真に矢印を示した図版が主でした。また力加減などの表現には" gentry" "lightly"などの表現が見られます。 | |
日本で発表された新しい表現法 |
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江戸時代には日本に於いて重要な文献が刊行されました。藤林良伯の「按摩手引」です。この書の中で藤林は腕、足などを「6角の柱」と見立て「一四、あるいは二五、三六」といった面の施術を説明しました。立体的に同時に2つのラインに対してアプローチする方法を指定したのです。さらに、昭和時代に浪越徳治郎先生が指圧の原則としての「漸増・漸減」という圧力の「かけ方」の表現を用いました。そのように日本に於いては按摩・指圧術を深くとらえ表現する基盤があったのかも知れません。 |
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マッサージスコアの意味 |
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マッサージスコアは現代の映像媒体のみの施術指導法に新しい道を開きます。それはちょうど楽譜を見ながら音楽を聴いているような雰囲気です。従来の施術の映像資料は練習者がベッドの前でTV、PCなどで再生しながら施術訓練を行う方法です。マッサージスコアはその映像に併記される「相対的な圧力変化」を見事に表してくれます。どの施術のどの時間でもその施術手のどの指がどのぐらい圧力をかけているか?イメージしやすくなっています。また直感的に漸増漸減の手技であるか、リズミカルに行われる手技であるかがイメージ出来ます。 あん摩マッサージ指圧などの施術情報の情報量が飛躍的に上がるのです。 |